続・晴耕雨読

東北在住のへっぽこ医師ばんじょーの日々思っていることをつづったブログです。週2回くらいの更新を目指しています。スパムコメント対策のため、 コメント時に画像認証をお願いしております。お手数ですがご了承ください。

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初めての機械出し~耳鼻咽喉科編~

今日は術場の看護師さんにこんなことを言われました。
「あなた、見た感じ、ゲーム好きでしょ?、もしかして秋葉系?」
「あっ、はい。ちなみに僕はバルキリープロファイルってゲームが好きです」
ううむ、僕は術場で一体何をしているんだろう…。
ちなみにその会話を聞いていた班員に、「術場の看護師さんとゲームの話をする人間を初めてみた」と驚かれました。そうだろう、もっと驚け(←やけくそ)。

さて、今日から実習は耳鼻咽喉科。
子供の頃の記憶だと、耳鼻咽喉科は風邪にかかると行くところで、鼻の中にチューブを入れて吸引したり薬を噴霧したりする科というイメージが強いのだが、大学病院の耳鼻咽喉科は、そんなイメージを覆すところである。というのも、もっぱら舌癌とか喉頭癌とかを外科治療するんだけど、そういう顔に近い部位の腫瘍摘出術って、どうしても顔の1/4を拡大切除して形成手術を行ったり、舌を摘出して声が出せなくなったり、顎の大半が切除されたりとか、って感じで、とにかく患者さんを見るのがつらい科なのである(そんなことを言うと申し訳ないのかもしれないけど)。それでも命が助かるだけまだいいと言えばいいのかも知れないけど…。

で、実習初日で、いきなり術野に入り、さらに器械出しというものを体験しました。
器械出しっていうのは、外科ドラマにつきものの、
「メス」
「はい!(パシッ)」
「コッヘル!」
「はい、先生!(パシッ)」
っていう、例のアレである。
ちなみに、「汗」「はい(ゴシゴシ)」というシーンは実際にはほとんどありません。たま~にあるけど。

今回はその場でモスキート、メッツェン(鋏小)、クーパー(鋏大)、持針器、コッヘル、ピンセット、鉤ピン、直ピンセット、金鉤(きんこう)、といった用具の名前を教えてもらって、そしてチャレンジ。
「ばんじょー先生、メッツェン!」
「はい(パシッ)」
「…これ、モスキートだよ」
「すみません!」

…気をとりなおして再チャレンジ!
「ばんじょー先生、鉤ピン!」
「はい(パシッ)」
「…これ、金鉤だよ…」
「すみません!!」

んん~、鉤までは合ってたんだけどなぁ、惜しいっ!
でも、形状や用途が全然異なるから、ちっとも惜しくないんだけどね。
その後看護師さんの申し訳なさげな「…換わりましょうか?」という申し出に遠慮なく従ったのであった。う~む、器械出しというのは難しい…。

その後、しばらく仕事がなくなり、傍でひたすら突っ立って手術を眺めていた。やっぱり、知識やスキルがないと、仕事って回ってこないんだよね。
でも、外科手技に限らず、仕事って、ただの労働ってわけではなく、自分のスキルを上げるための好機であることであるとも捉えられると思う。そう考えると、上の人が重要な仕事を自分のためにとっておいて、下っ端に仕事を与えない、もしくは誰でも出来るような雑用を任せるっていうのは納得のいく話である。

自分がどれだけ重要な仕事を沢山もっているということは、その組織に対する影響力を示すバロメータである。僕はそう思う。ゆえに、先輩が後輩に仕事を任せるときに感じる不安は、責任を譲渡しても大丈夫かという不安だけでなく、自分の組織内での地位を危うくするという不安も無意識的に内包しているんだと思うのだ。

逆に言えば、世の中のシステム的に、権力者が仕事を独占したい、そして下っ端に下克上の機会を与えるような仕事を譲りたくないというのはありそうなことであり、それはどのような蟻社会にも3割は働かない蟻が存在することを考えれば、あながち間違った推測ではないと思うのである。

でも、そうやって権力者が仕事を独占していると組織は衰退し、システムが崩壊の危機に陥る。組織を保つためには、リーダーは仕事をするというより、仕事を割り振るということにエネルギーを割かなければならない。そして、仕事をしなくなり自分のスキルが減じることで組織に対する影響力が減ることに対する不安をどう対処するかも、リーダーに求められる能力なのかも知れない。


話を戻して、最後の最後に先生に「クーパー取って!」って言われたとき、とっさにクーパーを差し出せたのが、今日一番の収穫でした。終わりよければすべてよし。9時間の手術も、無事に乗り切りました(ほとんど何もしてないけど)。

帰りにコンビニで週刊スピリッツを買って帰る。ううむ、スピリッツの「ボーイズ・オン・ザ・ラン」はどんどん暗い方向に話が進んでいくなぁ。家で作り置きしたシチューを食べて、今日はおしまい。また明日から頑張ろうっと。
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  1. 2007/12/04(火) 00:30:30|
  2. 医学
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:3

コメント

仕事振りとゲーマー

おひさ~
責任の委譲の話は、深く頷くものがあります。
自分の業界ですと、例えば、2年目の人一人だと14時間かかるものを
1年目の人に半分仕事を振って分担すると、結果的に合計で21時間かかってしまいます。
理由として①経験不足で時間がかかる、②後輩に教える時間が必要、③教えている間自分の作業が滞る、④分担すると任せた部分の情報がこちらに入りにくくなり、対応が遅れる等。
複数人で分担するとかえって工程に時間がかかるので、結局自分ひとりでやったほうが早いっていう話になってしまうんですよね。。。こういう時間込みで、上の人も配員計画もやってくれればいいんですが。人を育てるという観点が不足しがちなんですよ。
お医者さんの手術だと、こういう問題はあるんでしょうか~?

とりあえず、、、仕事を振る立場になりつつあるので、今回の記事は考えらせられるものがあり、勉強になりました。

ところで……ばんじょーさんは秋葉系認定、なんですか?見た目そういう風には見えませんけどぉ~
でもゲーム好きとは知りませんでした。わたしの職場にいるマイナー系ゲーム好きの女性と話が合いそうだわぁ(笑)。
  1. 2007/12/04(火) 11:48:17 |
  2. URL |
  3. はるのん #F.fxzyr2
  4. [ 編集]

人を育てるって大変ですよね

過分なコメント、感謝です。
ふむふむ、人を育てることにかかる時間についての分析、参考になります。仕事を教えると、どうしても時間と労力が必要になりますよね。
僕は教わる側で、まだ学生なので具体的なことはよく分からないのですが、手術に不慣れな医師が指導を受けながら手術しているのを見る限りは、指導医が手術するより時間がかかっているように見えます。指導医もその分拘束されるし。でも、それに関して、配員計画が悪いからだとかっていう話は聞かないですね。多分、配員するほど人がいないので文句言ってもしょうがないのと、配員計画の悪さで仕事が増えても、もともと当直などで仕事が多いのが日常茶飯事なので、あまり気にしなくなっている(っていうか感覚が麻痺している)からなんじゃないかと思います…。でも、それってどうなんだろう…?
いや~、僕はめっちゃ秋葉認定ですね。とりあえず巷で話題の初音ミクが買いたくてしょうがない人間ですから。
そちらの職場の方ともお話してみたいですね(笑)。
  1. 2007/12/04(火) 23:51:07 |
  2. URL |
  3. ばんじょー #-
  4. [ 編集]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2007/12/06(木) 14:21:59 |
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  3. #
  4. [ 編集]

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