続・晴耕雨読

東北在住のへっぽこ医師ばんじょーの日々思っていることをつづったブログです。週2回くらいの更新を目指しています。スパムコメント対策のため、 コメント時に画像認証をお願いしております。お手数ですがご了承ください。

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AIDS治療と認知的不協和(前編)

先週の金曜日で「血液」についての授業が終了!いや~、密度の濃い勉強だった。どのような内容であったかはここでは深く書かないが、とりあえず、血液の授業は僕の心に深い傷を残したということは書いておこう。

さて、知らない方はおそらくいないと思うが、血液疾患の中に、AIDS(後天性免疫不全症候群)という疾患がある。このAIDSという病気は、性交渉などが原因でHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した後、感染者の体内でHIVによりヘルパーT細胞(免疫を司るリンパ球の一種)がゆっくりと破壊されていくことによって免疫機能が低下した結果、健常人なら害を及ぼさないようなカビや細菌などによって身体に生じる様々な症状のことをいう。

繰り返すと、HIV感染はウイルスに感染した状態のことを指し、それだけでは特に表立った症状は出ない(末期の場合は免疫不全症状が出るが)。一方、AIDSは免疫不全状態のことを指し、カビ(真菌)や細菌によって皮膚、舌、肺、脳などに炎症などが合併症として生じている症状全般をいう。

このHIV感染は、一時は致死的な病気であったが、現在ではHAART(Highly Active Anti-retroviral Therapy:通称ハート)という他剤併用療法が開発されたおかげで、根治はしないものの、薬さえ飲み続けていればAIDS発症は免れるようである(ただし、薬剤長期投与のデータがないため、理論上の話のようであるが)。

ただし、問題はその費用で、1人の患者にかかる医療費は、億単位に及ぶとのことだそうだ。何十年の薬剤使用でいくらかかるという試算は授業では説明がなかった(と思います…)のだが、莫大なコストがかかるというのは確かなようである。

さらに、その副作用(吐き気など)がキツいというのも特徴である。薬を定期的に飲むわずらわしさとも相まって、(意図的に)飲み忘れる患者もいるようだ。

でも、10回に1度でも飲み忘れがあるとHIV感染治療の効果がなくなってしまうらしい。というのも、たったそれだけで、あっという間にHIVが体内で増殖し、さらに薬剤耐性まで獲得してしまうからなんだそうだ。

ということで、HIV感染治療では、AIDS発症ぎりぎりまで経過観察して、そこでようやく薬剤療法にうつるとのことである。医療費削減という面があると言ったら患者さんに申し訳ないのだが、例えば5000万円分薬を飲んでもらってから、ふと飲み忘れてそれまでの投与効果がフイになってしまう可能性があると思うと、その方策を撮るのも分からなくはない。それよりも、症状が出ていないうちから副作用の激しい薬を飲むと、患者さんがいやがって治療を拒んだり病院に来なくなってしまい、AIDSの症状が出て病院に来たときにはもう手遅れ…、ってなことになるので、それを避けるために経過観察をするというのが主な理由のようである。

(続く)


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  1. 2006/05/03(水) 00:48:51|
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