続・晴耕雨読

東北在住のへっぽこ医師ばんじょーの日々思っていることをつづったブログです。週2回くらいの更新を目指しています。スパムコメント対策のため、 コメント時に画像認証をお願いしております。お手数ですがご了承ください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

神経内科よ永遠に…そして I AM メタボリスト 

先日野菜嫌いの友達とサシで焼肉食べ放題に行ってきたばんじょーです、こんばんは。

たとえどんな会話をしていても肉から目線をそらさない僕に対し、たとえどんなに肉を食べていても会話時にちゃんと僕に視線を向けてくれる彼は、真に寛大な友人であると言わねばなりません。やはり持つべきは友です。

センター試験、始まりましたね。受験生のみなさんには、今までの勉強の成果をあますところなく発揮してもらいたいと思います。
今回は協力できなかったのですが(コウイチさん、すみません)、NPO法人FTEXTのホームページにてセンター試験の解説を作成・掲載しておりますセンター試験の解説をすぐ知りたい方、受験ぜひホームページを覗いてみて下さいね。センター試験の解説以外にも、いろんな大学の過去問題と解答解説を掲載していますよ。



さて、先日神経内科の実習が終わったんだけど、個人的にはトップ3に入るくらいきつい実習であった。オーベン(指導医)の指導がすさまじくて。ひたすら会話の矛盾点を理攻めで突き崩されるという日々であった。

例えば、神経炎(正確には慢性炎症性脱髄性多発根神経炎:CIDP)の患者さんから、
「左膝に力が入らないんだけど、実は1年半前に朝の散歩を続けてたら左膝が痛くなって、しばらく歩けなくなっちゃったんだよね。今はなんともないんだけど、入院中に整形外科に診てもらえないかな?」
と言われたので、その患者さんの受け持ちの医師にそのことを伝えて、自分でもそのやりとりをカルテに書いたときの話。

オーベン、カルテを見る。
「患者さんの膝の痛みについて、君はどうしたの?」
ばんじょー「担当の医師に伝えて、整形外科に紹介受診となりました」
オーベン「君は、この患者さんの訴えと、膝に力が入らないことは関係ないと思う?」
ばんじょー「(CIDPが原因で大殿筋、腸腰筋の筋力が低下していると考えていたので)はい、多分関係ないんじゃないかと…」
オーベン「引き出しテストはやってみた?」
ばんじょー「うっ………」

引き出しテストとは、膝関節の前十字靱帯を損傷したときに行う検査である。膝の損傷が、膝に力が入らないことと本当に関係ないのかどうか。この時点で、膝について自分で検査した上で、整形外科に紹介するべきかを判断しろ、と指摘されていることに気付く。

ばんじょー「……いえ、テストはしてませんでした」
オーベン「膝の痛みで考える疾患と検査法は何が考えられる?」
ばんじょー「……(とっさに聞かれて出てこない)」
オーベン「君、整形外科を回ったんでしょ。何を勉強してきたの?」
ばんじょー「……」
オーベン「君が医者になってから、自分で判断せずに他の科に患者さんを紹介したとする。そんな風に紹介してると、本当は紹介しなくてもいいような患者さんだって紹介するようなことが起こってくるでしょ。紹介される側だって忙しいんだから、そのうち君の頼診券(診察を他科に依頼するときの用紙)を他科の医師が見ても、「ああ、あいつはどうでもいいような疾患で紹介してくるから、仕事を後回ししちゃおう」ってことになっちゃうんじゃない?それは患者さんにとっても不利益だよね」
オーベン「もし君が自分で筋道立てて他科に紹介すべき理由を考えた上でいつも紹介するなら、紹介される医師だって「あいつが紹介するならちゃんとした理由があるんだろう。それならどんなに忙しくても先に診ないと」って思うでしょ。今のままじゃ、君の頼診券は後回しだね」
ばんじょー「ぐっ……(こ、こいつ、言いたい放題いいやがって…)」

(くそ~、神経内科なんだから整形の検査まで要求すんなよ。しかも患者さんは学生の相手するのをうっとおしがってて、神経内科の診察だけでもお願いするのがやっとなのに、整形の検査まで出来ないよ!そこまで要求するなら、患者さんに先に念押ししといてくれよ)と心の中では毒づきながら、「はい、はい」と頷く僕。ストレスたまる~。

もちろん、オーベンの言ってることはまっとうだし、僕が医師を目指している以上、「学生だから知らなくていい」「診察できなくていい」っていう言い訳は自分にとっても、将来の患者さんにとっても何の利益にもならないことは分かる。むしろ、診察できない自分を自覚させてくれたことに感謝すべきなんだけど…でもそれと怒るのとはまた別物だと思うわけで。

って感じで側副路が出来るんじゃないかってくらい血管がブチブチ切れそうな日々を過ごしていたんです。

でも、怒りはしてるけど、オーベンのことは尊敬してるんですよ。だって、間違いを指摘してくれるのはありがたいことだからね。しかも、指摘が理路整然としてすごい分かりやすいし。僕はこの2週間、よくオーベンに叱られたんだけど、叱ることはすごいエネルギーがいることだから、僕のためにわざわざエネルギーを使ってくれたということに、今更ながら、非常に感謝している。

とはいっても、オーベンが単なるサディストであるという可能性は否定できないのだが…(←おい)。

この2週間は自分にとって本当に有意義であったが、自分が感じたのは、オーベンの論理的な思考法に対して、ある種の憧憬を抱いているということだ。自分は論理的な思考が出来ないゆえに、情に訴えるコミュニケーション法を無意識に選択し、情動の大切さを説く本を探しては、「やっぱり
情動の方が大事なんだよな~」と一人納得していた。でも、情動が論理より上なのではなく、上だと思いたがっていただけなんだな、と今更ながら気付いてしまったわけで(別に下ってわけでもないと思うけどね)。自分と違う世界に触れるっていうことは、つくづく大事だと思う次第である。


実習終了後、国対委員で打ち合わせをし、国試最終日のスケジュール変更の件も無事解決。仕事が出来る人が集まると話が早くて助かるなぁ。

そして、国対委員の打ち合わせ終了後、友人である国対委員長と冒頭の焼肉に行ったわけである。ストレス後の肉は止まらない、そして中性脂肪へと続くのである…。
スポンサーサイト
  1. 2008/01/20(日) 02:09:36|
  2. 医学
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

コメント

S先生(T先生のほうか?)のいっていることはきわめて正しいと思います。
本来はそうすべきなのだと思います。

まぁ、つっこめるとしたら、なぜ引き出しテストなのか、
筋力チェックだけではだめなのか、
そもそもなぜ痛くなったのか、急にか、突然か、
ずっと痛いのか、歩けないときはどうしていたのか、
などなどをきくかなと思います。
前十字靭帯損傷を疑わせるケースでもないのに、
引き出しテストを行うのは時間の無駄ではないかなと。
もっと病歴をきくほうを重視するかな。
これくらいかな。


でも、本当にS先生の言っていることは正しいと思います。
ただただ頼診券だけ書いて、ほいとほかの科にまわして、
果ては主治医交代まで要求するDoctorもいますので。

それに、これは頼診券だけではなくて、
すべての診察、検査に通じることなのです。
なぜ、X線をとるのか、
なぜ、心電図をとるのか、
なぜ、聴診するのか、
なぜ、触診するのか、
なぜ、病歴のときにそのことをきいたのか、

すべての自分の行為に意味がなければ、
単なる時間と金の無駄になってしまう。
そういう意識をもつことはとても大事なことだと思います。

  1. 2008/01/20(日) 14:44:51 |
  2. URL |
  3. K先生 #qjsITxmk
  4. [ 編集]

まるで我が身のことのような

ばんじょーさん、こんばんは。
今回の、指導医とのやりとりのお話は、自分が最近経験した仕事がらみの出来事と重ねて読んでしまいました……。
こちらのコメント欄で簡潔に書くには難しいのでその出来事を書くのは避けますが、わたしは感覚的に、直感的に物事を捉えて判断することが多いので、論理的に思考し、論理的に説明するのは難しいと、つくづく思います。(ばんじょーさんはわたしと違うタイプで見当違いのことを書いてしまっていましたら申し訳ないです)

感情で考える者であるが故に、理詰めで攻められると理詰めで相手を納得させられるような反論をとっさにすることができず、逃げ場を失って押さえ込まれたようなネガティブな気分になってしまいました。人によってそれは怒りとなったり泣きそうになったりと反応は違うかもしれませんが、記事を読んでいてなんとなくしんみりしてしまいました。。。もう少し言い方ってものがあるじゃん!と思うものの、相手の言うことは正論である場合は、非は自分にあり、自分はまだ未熟なのだと怒りを納める方向にしたほうが今後の人生は楽に過ごせると自らを納得させつつ。。。

とりあえず、論理的攻めに対する解決策としては、反論できるように材料(知識)をたくさん用意しておき(○○の場合は××だ、と普段から考えておく、等)、論理的思考を身につけてこれを引き出しのようにすぐに取り出せるようにすることなのだと思っていますが、これがなかなか難しいですよね……v-40

「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル」http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E2%80%95%E8%AB%96%E7%90%86%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%80%9D%E8%80%83%E3%81%A8%E6%A7%8B%E6%88%90%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB-Best-solution-%E7%85%A7%E5%B1%8B-%E8%8F%AF%E5%AD%90/dp/4492531122
は、補習所でディベート(ディスカッション)をしていた際に、論理的思考の参考書として、補習所の先生に薦められた本ですが、わりと読みやすくてお薦めです。
とはいえ、読んだからといってそれを実践できるかというとそれは別の話、というところが悲しいですね……e-263
  1. 2008/01/20(日) 21:56:00 |
  2. URL |
  3. はるのん #F.fxzyr2
  4. [ 編集]

コメントありがとうございます

返信が遅れてすみません。ここ一週間忙殺されていました。

>K先生
コメントありがとうございます。前者です。
主治医交代まで要求ですか…、恐ろしい話ですね。
確かに、各所につっこめるところはあるのでしょうが、「なぜ自分がこの行為をするのか考えろ」という先生の指摘は、反論の余地が無い、まさに正鵠を射ていると思います。
K先生のおっしゃるように、今回のことで、自分の行為の意味を考えるのは大事だとあらためて思いました。時間と金を無駄に遣ったあげくに、患者さんに害を為すようなことのないようになりたいものです。

はるのんさん>
コメントありがとうございます。
僕もかなり感覚的な判断やコミュニケーションを好むタイプです。そういうタイプの人間には、論理的思考を行うのはかなりハードルが高いのかなぁ、と自分を振り返るたびに思います。
はるのんさんも大変なことがあったようですね。心中お察しします。
相手が議論を深めるために、もしくは相手の意識を向上させようとか、よりよい解決法を考えようとか、っていう前向きな理由で論理的に攻めてくるのであれば、まだ納得のしようがありますが、相手がこちらを潰すために論理的議論をふっかけてくるような場合は、それに対抗する術がなければ心底辛い気持ちになるかも知れないな、と思います。
『ロジカル・シンキング』、面白そうな本ですね。ご紹介ありがとうございます。今度本屋で探してみます。
これ買っちゃったら、ただでさえツンデレ、じゃなかった、積読が多いのに、さらに借金が増えそうだなぁ…。
  1. 2008/01/28(月) 02:47:35 |
  2. URL |
  3. ばんじょー #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ishikawasss206.blog46.fc2.com/tb.php/100-2adf0a65
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。