続・晴耕雨読

東北在住のへっぽこ医師ばんじょーの日々思っていることをつづったブログです。週2回くらいの更新を目指しています。スパムコメント対策のため、 コメント時に画像認証をお願いしております。お手数ですがご了承ください。

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最近読んだ本

ばんじょーです、こんばんは。

この土日で4冊本を読みました。読書できる時間があるというのはありがたいことです。


原発のウソ』小出裕章著、扶桑社新書、2011年6月1日初版

原発の闇を暴く』広瀬隆・明石昇二郎共著、集英社新書、2011年7月20日初版

この2冊は、現在福島で何が起こっているか、東電と政府の今回の原発事故に対するスタンスがどのようなものであるかを学ぶ上で非常に有益だと思います。ロジカルかつ数値的な裏付けでもって、日本の原子力産業の馴れ合い構造にメスを入れている2冊です。

官僚の責任』古賀茂明著、PHP新書、2011年7月29日初版

官僚のメンタル構造について、キャリア官僚である著者が論じた本です。上記2冊と併せて読むと、なぜ原発問題に対して国の対応が後手に回っているのかが伝わってくるのではないかと思います。
古賀氏の発送電分離案が実現していれば、原発盲信も多少は変わっていたのかもしれません。
後半は将来の展望系の話が多かったので斜め読みしてしまいましたが…。
大阪府知事選に維新の会推薦で古賀氏擁立の話があったようですが、話がなくなってしまったようで残念です。

チェルノブイリ アメリカ人医師の体験』R.P.ゲイル・T.ハウザー共著、岩波書店、1988年12月初版
チェルノブイリ事故の際、放射線被曝で白血病にかかった患者さんに対する骨髄移植を行うために、アメリカから招へいされソ連の病院で活躍した医師のルポタージュです。
チェルノブイリ事故がこういうものだったんだ、という雰囲気が伝わってくる作品です。大半斜め読みしてしまいましたが、医師の文章らしく、医学的な記載には迫力があります。
「胎児は妊娠後8週目から15週間目にかけ放射線に被曝すると、精神遅滞にもっともなりやすい」(p205)
福島では、妊婦さんの避難が遅れてしまったものと思いますが、心配です。

以上です。明日から仕事頑張りますか…。
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  1. 2011/09/12(月) 00:04:27|
  2. 読書
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生命保険新規加入と福島原発問題について

ばんじょーです、こんばんは。最近の時事問題に関して徒然書いてみたいと思います。

以前の話ですけど、ほっしゃんがツイッターで「外資系の生命保険会社内で東北地方での生命保険新規加入を制限するよう社外秘の通達がなされた」とつぶやいたそうですね。
http://rocketnews24.com/2011/08/25/125110/ちなみに、それに対するリツイートの中に「今回の原発の件で癌リスク増加が不安な人が増えたとして、それで加入者が増えるなら顧客が増えていいんじゃない?」というものがありました。

元保険会社員(ただし損保ですが)としてコメントするなら、正確にはリスクが低い方の保険契約が増えると会社の利益につながります。保険というのは、事故が起きて初めて保険金の支払いが発生する商品なので、事故やケガがなければ保険会社はお客さんに保険金を支払わずにすみ、まるまる保険料はフトコロに入り利益になります。逆にケガや事故が多そうな人(例えば事故と隣り合わせの職業の方)などは、支払いがかさむ恐れがあるため、保険会社としてはできれば入って欲しくないわけです(というとそういう職業の方には気の毒なのですが)。
当然保険会社も会社である以上利益を得なければ存続しえないわけだし、一度加入してしまうと、よほどのことがない限り契約内容の途中変更を保険会社側から提案するのは難しいので、もし事故・疾患・傷害のリスクの大きい方が窓口に来そうな場合は、加入の段階で制限するのが会社としては運営の観点からすれば正当な判断だといえるでしょう。だから、外資系生命保険会社が上記の通達を社外秘で出したのはうなずけることだと思います(外資系の生命保険会社はそんな事実はないと否定したそうですが、まぁそうでしょうね)。もちろん、東北在住の方からしてみれば腹が立つことではあるのでしょうが。

では、果たして今回の原発で傷害等のリスクが上がるのかどうかについてです。チェルノブイリ原発事故が1986年に発生しましたが、2004年にウクライナ保健省は被曝者数を320万人と算定し、児童45万人を含む230万人が政府機関の保護観察下に置かれていると発表しました。同じくウクライナの2009年の発表では、当時子供だった4400人が放射性ヨウ素の被曝による甲状腺癌の手術を受けていることが分かっています。
また、2005年にはロシアの保健社会発展相が、チェルノブイリ事故で健康を害した被曝者がロシアで145万人に上り、事故後に生まれて健康を害した18歳以下の人も22万6000人に達し、被曝者全体の中で身体障害者の認定を受けた人は46000人に達したことを明らかにしました。

以上は『原発の闇を暴く』p173からの引用です。4400人の甲状腺癌が多いか少ないかはにわかに判断できないのですが、別のレポート(ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌の現状/ベラルーシ国立甲状腺がんセンター:
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html)では、ウクライナと同様に甲状腺癌の発生率が多いといわれるベラルーシでは、1975-1985年ではベラルーシ全土で15歳未満の甲状腺癌の患者数が7人(!?)だったのに対し、1986-1996年では全土で15歳未満の患者が508人であったとのことです。なお、1975年のベラルーシの人口は936万、85年は997万、95年は1019万人だそうです(参考:世界銀行、世界開発指標)。

これらの資料から考えると、リスク増加はありそうだ、と考えても不思議ではないと思います。なお、日本政府の発表では、福島第一原発から出た放射線の量を4月現在で「チェルノブイリの約10分の1」と発表しており、京都大学原子力研究所の小出裕章氏も「4月現在という留保をつけるのなら、私もそうだろうと思います」と言っています(『原発のウソ』p41)。ちなみに、チェルノブイリから出た放射性物質は広島原爆の800発分(『原発のウソ』p64)なので、4月の時点で福島では原爆80発分の死の灰が飛び散った計算になり、そして9月現在でも、福島原発の事故は収束していない可能性が高いと思われます(思われますというのも、日本政府および東電の発表は信ぴょう性に欠けるので…*1)。

今後数十年かけて、小児先天性疾患・小児悪性腫瘍・若年白血病が増加するかもしれません。医業を考えると、小児科、血液内科の需要が今後増えるかもしれませんね。
福島原発の事故の早期収束、現地の方々の生活が早く安定することを祈り、筆をおきたいと思います。

*1 外国人向け保安院・東電の会見がついに無人に
4月25日の外国人向けの記者会見の参加者が0人だったそうです。それほどまでに信憑性がないということでしょうか。

世界はもう、日本政府と東電を信用していないようです
ロシアのテレビ討論番組のようですが、これが世界の評価なのでしょうか。

○○が思っている汚染範囲が実に的を射過ぎていると話題に
きっとこれもそうなんだろうなと思います。
  1. 2011/09/11(日) 23:30:27|
  2. 時事
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