続・晴耕雨読

東北在住のへっぽこ医師ばんじょーの日々思っていることをつづったブログです。週2回くらいの更新を目指しています。スパムコメント対策のため、 コメント時に画像認証をお願いしております。お手数ですがご了承ください。

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医療マンガを斬る・その3 『Dr.コトー診療所』って、実はミステリー漫画じゃないんだろうか?

ばんじょーです、こんばんは。

今日は朝まで当直でお見送りをした後、嫁と近くのイオン映画館で『借り暮らしのアリエッティ』を鑑賞。アリエッティ、かなりいいですね。最近公開された『トイ・ストーリー3』といい、ここ最近のアニメ映画はかなり見応えがありますね。前2者は本当にお勧めです。

映画を観る前にばったり友人と遭遇したので一緒に食事。同業の友人なのですが、仕事を頑張ってる同期の話は励みになりますね。また話を聞かせてください。


さて、唐突に「医療マンガを斬る」シリーズを始めました。斬るほどの医療知識も持ち合わせてないのですが、なんとなくノリで書いてみようかと思います。


ちょっと前のお話。友達で研修医のバニラ氏が、祖母にやたらと『Dr.コトー診療所』を読むよう勧められたそうで。
「“すごい面白い漫画があるんだけど、読んでみない?”って言ってきたんだけど、“あなたもDr.コトーみたいなお医者さんになりなさいよ”って意図がひしひしと伝わってきたから、ひたすら話をそらそうとがんばったよ」
結局、ひたすらにバニラ氏に『Dr.コトー』を読ませようとするタカ派の祖母と、ひたすらに話をそらそうとするハト派のバニラ氏との間に歩み寄りはなく、その場に居合わせた叔母さんが間に入る形で決着をみたそうです。

確かに、Dr.コトーみたいに“何でも一人で出来るスーパー外科医”は、患者さんにとって理想的な医師なんでしょうね。

大半の方はご存知かとは思いますが、念のため『Dr.コトー診療所』がどういう漫画かについて紹介すると、「無医村かつ孤島である古志木村に主人公Dr.コトーが赴任して以来、続出する重症患者たち。この村にいったい何が…?」というミステリー漫画です。

あれ、なんだか『ひぐらし』だか『うみねこのなく頃に』みたいなストーリー紹介になってしまいました。失礼失礼。

説明しなおすと、『Dr.コトー診療所』は「なぜか重症患者が続出するようになった無医村かつ孤島である古志木村にたまたま赴任することになった主人公Dr.コトーが、天才的外科技術で疾患をことごとく治療していく過程で村人たちとの信頼関係を築いていくヒューマンドラマ」です。

ちなみに、重症患者が続出と書きましたが、どんな疾患の患者さんが出てきたのか、1~5巻まで見直してみました。
1巻:虫垂炎(漁船の上でオペ)、腹部大動脈瘤、早産児(週数・体重不明。肺形成が十分でないとのコメントあり)の帝王切開術
2巻:肺損傷、急性硬膜外血腫
3巻:外傷性心タンポナーデ(エコーなしで心嚢穿刺)、右上腕切断後の接合手術
4巻:胃癌(スキルス)、エキノコックス感染症
5巻:膵臓癌オペ、骨盤位経腟分娩、集団食中毒(カンピロバクター)、急性心筋梗塞(おそらく#7の90%狭窄、その後前下行枝に対して、内胸動脈グラフトを用いてのバイパス術を施行)

ざっとみて中等症~重症の症例が10件弱、でしょうか。
古志木村は1000人くらいの住民が住んでいるとのことですが、1~5巻までの期間を半年~1年くらいと仮定したら、中等症~重症患者の件数としてはありえなくもない件数でしょうか。ただ、小児と若年男女の重症例が多い気がするので、そこが感覚的に違和感を覚えるところでしょうか。きっと古志木村の若年者はみな大殺界の真っ最中なのでしょう。

外科系の疾患についてはそれほど詳しくないのですが、虫垂炎は消化器外科、大動脈瘤オペと冠動脈バイパス術は心臓血管外科、帝王切開術と骨盤位分娩は産婦人科、右上肢切断は整形外科、急性硬膜外血腫は脳外科、肺損傷は呼吸器外科の医師がそれぞれ治療する疾患だと思われます。また、産婦人科に関して言えば、たとえ産婦人科専門医であっても、合併症や出産後の管理を考えると、早産児の出産や骨盤位胎児を経腟分娩はかなり躊躇するであろうケースです(産婦人科ローテートの生半可な知識をもとにコメントするならば、早産の場合は子宮収縮抑制薬の投与でなるべく正期産にしようとするし、うちの病院ではかなりの割合で骨盤位の場合に帝王切開を施行してました)。

これらの疾患を一人で治療するとは、Dr.コトーは一体何科の医師で、どんな修行をしてきたのか?そこを想像するのも、ミステリー漫画としての『Dr.コトー』の楽しみ方の一つだと思います(え?)。

いずれにせよ、こんなHyperドクターと比較されては、細々と生きている僕のようなHypo研修医は立つ瀬がないわけで。バニラ氏もそんな“スーパードクター症候群”(ばんじょー造語。市井の人たちがスーパードクターを求め、普通の医師に過剰な期待をするケースの総称)の犠牲者だと思われるわけですが、バニラ氏と僕は、一体どうすればスーパードクター症候群に歯止めをかけられるか(というか自分たちがその犠牲者にならないで済むか)について、仕事そっちのけで(え?)激烈な議論を交し合ったわけなのです。

その続きは次回にでも。ではまた~。
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  1. 2010/07/19(月) 22:56:15|
  2. 医学
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