続・晴耕雨読

東北在住のへっぽこ医師ばんじょーの日々思っていることをつづったブログです。週2回くらいの更新を目指しています。スパムコメント対策のため、 コメント時に画像認証をお願いしております。お手数ですがご了承ください。

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生命保険新規加入と福島原発問題について

ばんじょーです、こんばんは。最近の時事問題に関して徒然書いてみたいと思います。

以前の話ですけど、ほっしゃんがツイッターで「外資系の生命保険会社内で東北地方での生命保険新規加入を制限するよう社外秘の通達がなされた」とつぶやいたそうですね。
http://rocketnews24.com/2011/08/25/125110/ちなみに、それに対するリツイートの中に「今回の原発の件で癌リスク増加が不安な人が増えたとして、それで加入者が増えるなら顧客が増えていいんじゃない?」というものがありました。

元保険会社員(ただし損保ですが)としてコメントするなら、正確にはリスクが低い方の保険契約が増えると会社の利益につながります。保険というのは、事故が起きて初めて保険金の支払いが発生する商品なので、事故やケガがなければ保険会社はお客さんに保険金を支払わずにすみ、まるまる保険料はフトコロに入り利益になります。逆にケガや事故が多そうな人(例えば事故と隣り合わせの職業の方)などは、支払いがかさむ恐れがあるため、保険会社としてはできれば入って欲しくないわけです(というとそういう職業の方には気の毒なのですが)。
当然保険会社も会社である以上利益を得なければ存続しえないわけだし、一度加入してしまうと、よほどのことがない限り契約内容の途中変更を保険会社側から提案するのは難しいので、もし事故・疾患・傷害のリスクの大きい方が窓口に来そうな場合は、加入の段階で制限するのが会社としては運営の観点からすれば正当な判断だといえるでしょう。だから、外資系生命保険会社が上記の通達を社外秘で出したのはうなずけることだと思います(外資系の生命保険会社はそんな事実はないと否定したそうですが、まぁそうでしょうね)。もちろん、東北在住の方からしてみれば腹が立つことではあるのでしょうが。

では、果たして今回の原発で傷害等のリスクが上がるのかどうかについてです。チェルノブイリ原発事故が1986年に発生しましたが、2004年にウクライナ保健省は被曝者数を320万人と算定し、児童45万人を含む230万人が政府機関の保護観察下に置かれていると発表しました。同じくウクライナの2009年の発表では、当時子供だった4400人が放射性ヨウ素の被曝による甲状腺癌の手術を受けていることが分かっています。
また、2005年にはロシアの保健社会発展相が、チェルノブイリ事故で健康を害した被曝者がロシアで145万人に上り、事故後に生まれて健康を害した18歳以下の人も22万6000人に達し、被曝者全体の中で身体障害者の認定を受けた人は46000人に達したことを明らかにしました。

以上は『原発の闇を暴く』p173からの引用です。4400人の甲状腺癌が多いか少ないかはにわかに判断できないのですが、別のレポート(ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌の現状/ベラルーシ国立甲状腺がんセンター:
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html)では、ウクライナと同様に甲状腺癌の発生率が多いといわれるベラルーシでは、1975-1985年ではベラルーシ全土で15歳未満の甲状腺癌の患者数が7人(!?)だったのに対し、1986-1996年では全土で15歳未満の患者が508人であったとのことです。なお、1975年のベラルーシの人口は936万、85年は997万、95年は1019万人だそうです(参考:世界銀行、世界開発指標)。

これらの資料から考えると、リスク増加はありそうだ、と考えても不思議ではないと思います。なお、日本政府の発表では、福島第一原発から出た放射線の量を4月現在で「チェルノブイリの約10分の1」と発表しており、京都大学原子力研究所の小出裕章氏も「4月現在という留保をつけるのなら、私もそうだろうと思います」と言っています(『原発のウソ』p41)。ちなみに、チェルノブイリから出た放射性物質は広島原爆の800発分(『原発のウソ』p64)なので、4月の時点で福島では原爆80発分の死の灰が飛び散った計算になり、そして9月現在でも、福島原発の事故は収束していない可能性が高いと思われます(思われますというのも、日本政府および東電の発表は信ぴょう性に欠けるので…*1)。

今後数十年かけて、小児先天性疾患・小児悪性腫瘍・若年白血病が増加するかもしれません。医業を考えると、小児科、血液内科の需要が今後増えるかもしれませんね。
福島原発の事故の早期収束、現地の方々の生活が早く安定することを祈り、筆をおきたいと思います。

*1 外国人向け保安院・東電の会見がついに無人に
4月25日の外国人向けの記者会見の参加者が0人だったそうです。それほどまでに信憑性がないということでしょうか。

世界はもう、日本政府と東電を信用していないようです
ロシアのテレビ討論番組のようですが、これが世界の評価なのでしょうか。

○○が思っている汚染範囲が実に的を射過ぎていると話題に
きっとこれもそうなんだろうなと思います。
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  1. 2011/09/11(日) 23:30:27|
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